マフラー

BY IN 小説 6 COMMENTS



店に入って初めて気がついた。

「お前がマフラーなんて珍しいな」
「おう、寒いからな」

そう言って口元を隠すようにあごを引いて、友人は短く返事をした。

(続きを読む…)

group_inouの「HEART」を聞いて

BY IN 週代わり企画, 雑記・日記 6 COMMENTS



電子音の波と不可思議なリリックで夢を見る

ヒップホップなんだろうか、テクノなんだろうか。それともエレクトロ?
よく分からない印象で始まった曲は、そのリリックで混迷を極める。
「甘やかされて勝ち取った」ってなんだ。コッパーブルーってなんなんだ。
しかしそんな疑問は心地良いリズムの波にたゆたい、いつの間にかその世界に引き込まれていく。

(続きを読む…)

れげーぶ第3話 ダークロード編①

BY IN れげーぶ! 2 COMMENTS



【夢】

小波「危ないすーみんっ!」

澄「きゃっ……!!」

那子「破ァ!」

那子「ふぅ…この光の盾が無かったら危なかったな。あとちょっとでやられていたよ」

澄「ありがとう那子ちゃん…」

小波「なこちーカッコE→!」

・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・

那子「という夢を見たんだ。だからRPGやろう?」

澄「設定薄いなぁとか小波ちゃんってそんな口調だっけとか色々ありますけど分かりました」

小波「RPGっていうとやっぱりDQとかFF?」

澄「それもいいですけど…そうですね、3人居るし名前も付けたいのでコレにしましょう」

(続きを読む…)

紗季のほのぼの事務所ライフ ~キャラ創りコラム:デフォルメキャラ! あり得る? あり得ない?~

BY IN 小説, 週代わり企画 NO COMMENTS YET

 

春の訪れまではまだまだ日が遠く、街中を通り抜ける風が道を急ぐ人々に鋭く吹きつけている。
新たな年が明けてからしばらく経ち、世の中は普段と同じリズムを再び刻み始める。
人々が皆、忙しなく動き始めるのは屋内の場面でも変わらず、相沢慧悟が配属されている署内も無論、例外ではなかった。

「ようやく一休み、か……」

署内の片隅に設けられた小さな喫煙スペース内のベンチに座り、コートの内ポケットから残り少なくなったタバコを取り出すと、手触りを確かめるようにしてから軽く咥えて火を点ける。

「ふぅー……」

他に誰も居ない喫煙スペースのガラス越しに右へ左へ行き来する職員達の様子をぼんやりと眺めていると、
軽いノックの後に入口のドアが開いた。

「お疲れ様でーす……あれ、相沢先輩も休憩ですか?」

「ちょうど一山片付いたところだ」

冷たくなった手を擦りながら部屋に入ってきたのは相沢と同じ署に勤務する鳥野康平巡査だった。
年は相沢よりもひと回りほど下で「駆け出しの若き警察官」といった雰囲気が漂っている。
現在は所属している部署が違うので相沢の直属の部下ではないが、鳥野がこの署に初めて配属される事となった時、彼の指導係だったのが相沢だった。
相沢からすると目が離せない弟分のような男で、互いの部署が別々になった今でも相沢が彼に抱くイメージは変わっていない。

「相沢先輩はエスプレッソですよね? はい、どうぞ」

鳥野が自販機で二人分の缶コーヒーを買って、相沢に一つを手渡す。

「おぅ、悪いな」

喫煙所で何度もあったやり取りを以前と変わらぬ調子でなぞるように済ませると、鳥野は相沢の向かいのベンチに腰を下ろした。

「はぁ……何か面白い事件とかないですかねぇ? こう、ドラマとかでよくあるような手に汗握る感じの」

「おいおい、お前なぁ……事件なんて無い方が良いに決まってるだろ? それが変わった事件ならなおさらだ」

「でも、そんなんじゃつまんないっすよ。毎日ちょっとした事件や事故、交通違反なんかの処理ばっかり……」

「気持ちは分からんでもないが、普段のそういうのが一番大事だったりするんだよ。しかしまぁ、それだとお前も面白くないだろうから、今日は面白い事件や犯人の事について少し話をしてやるよ。色んな事例についての考察自体は悪い事じゃないしな」

備え付けの灰皿で短くなってきたタバコの灰を落とすと、缶コーヒーの口を開ける小気味良い音が二つ、喫煙所の中に響いた。

 

(続きを読む…)