長月の快然たる鎮守府生活 04.5

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  ――とある鎮守府、艦隊司令官室

提督「お疲れ様、長月」

長月「ふーっ…… 久々に疲れたよ。またすぐ出撃か?」

今まさに帰投したばかりといった様相の長月が部屋に入ってくると、提督は深海棲艦の勢力図がびっしりと書き込まれたボードから視線を外す。一直線にこたつへと向かった長月にお茶を入れるためだ。

長月「あ、私が入れるよ、司令官」

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(社)人類ホロボース団 活動日報No.01

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00を修正・後半を加筆した正規版第一話です。
試験的に読み切りを何度も掲載して連載第一話だけ完成度が高いマンガとかあるよね。




『(社)人類ホロボース団 活動日報No.01』

――首都圏に星の数ほどある繁華街の内の一つ

そのとある繁華街の中でも人通りの多い二つの通りが交差する地点がここだ。
中途半端な背の高さの建物、やけに細長く自己主張の激しいたくさんの看板。それらが構成する不思議な圧迫感のある空間を抜け、交差点に出たところだ。チラチラと見えていた空が大きくひらけ、地上を所狭しと行き交う無数の目線もここでは心なしか圧迫感を感じさせない。
そんな景色の中で、もっとも誰かの目に留まることが少ないのがこの雑居ビルだった。一階と二階にはナントカ商事とか、聞いた事のある大きなグループの子会社の事務所なんかが入っている。三階はずっとテナント募集のままだ。
こんな立地条件のいい場所でこの状況は良く考えれば少しおかしい。しかし人間というのは往々にして、たとえ道端に落ちている石ころが未知の鉱物でできた隕石の欠片だったとしても、それに気づけないものなのだった。この雑居ビルも、行き交う人々にとっては道端に落ちている石ころかそれ以下の存在でしかない。私にとっても少し前まではそうだったのだから、良く分かる。
その雑居ビルの地下一階。下へ向かう階段の入り口にはA型の置き看板が置かれ、こう書かれている。


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幸せになろうよ

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「ただいまー」ガチャ

「! おかえ……あっ!」ガシャーン

「ちょ! お前また皿割ったのか!」

「あわわ……ごめんなさいごめんなさい!」

「ったく……なんかお前が来てからろくな事がないんだけど」

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夕焼けの港

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なんかこんなタイトルを何回も書いた気もしますが、夕暮れのこのオレンジというか金色っぽく街が染まる感じがやっぱり好きですねぇ。

というわけで久しぶりに写真記事です。

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まだ未確認だけど春アニメも進行中

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でございます
時間がなくてアニメが見られないなんて(自称)305アニメ番長の称号も(自主)返上しなきゃならぬと思う毛糸です
冬アニメはどうだったかな? 魅力的な作品には出会えたかな?
もう151匹捕まえた君も まだまだの君も レンタル派のためのネタバレなし全話レビュー、いってみよう!


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正しい選択

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蛍光灯の明かりに照らされた廊下を施設の担当者に案内されて、右へ左へと進んで行く。
5分ほど歩き、ある部屋の前に着いたところで担当者から軽い説明を受ける。

「――では、面会時間は30分までとなっておりますので」

担当者に短く礼を述べて、部屋の中に入る。

通された部屋はさほど広い部屋ではなく、右手の壁に大きめの窓がひとつだけ作られている。
部屋の中のものは少なく、部屋の隅に小さめのラックがひとつ、そして部屋の中央にデスクがあるだけだ。
そのデスクの奥側、入り口から入ってきた私に向かい合う形で彼は座っていた。

「……よう」

少しの間をおいて挨拶を交わし、彼の真向かいの席に腰を下ろす。
彼は両手両足を枷で繋がれた状態で自由に身動きが取れないようにされている。
部屋には私と彼以外の人間は居ないが、人の気配を感じるような気がする。
おそらく、部屋の窓がマジックミラーになっているのだろう。今回の一件について詳細を知りたい者達が我々の会話を聞こうとしている可能性は高い。
どこにあるかは分からないが、映像と音声を記録する端末も壁のどこかに埋め込まれているはずだ。
まぁ、聞かれて困るような事を話すわけではないから、特に問題は無い。

「少しは頭の中の整理はついてるか? できるなら、あの時のことを聞かせて欲しい……」

わずかな沈黙の後、彼は静かに口を開いた。

「良いよ。自分でも意外なほど落ち着いてるし、あの時のことは俺もお前には聞いて欲しいと思ってた」

二人が発する音以外の無い静寂に満ちた空間で、彼はぽつり、ぽつりと私に語り始めた。

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長月の快然たる鎮守府生活 番外編『資源運用講座3』

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☆『資源運用講座その三 備蓄編』


提督「新遠征はんぱねぇ!!」

長月「っ!? 突然どうした!」

いつものように司令官室で資料とにらめっこしていた提督と長月。
コタツの上に飛び乗ってそう叫んだ提督のまわりを未処理の書類がひらひらと舞いながら落ちていく。

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(社)人類ホロボース団 活動日報No.00

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――首都圏に星の数ほどある繁華街の内の一つ。

ここはそのとある繁華街の中でも人通りの多い二つの通りが交差する地点。無数の目線が行き交い、その全てがすれ違う。
そんな景色の中で、もっとも誰かの目に留まることが少ないのがこの雑居ビルだった。一階と二階にはナントカ商事とか、聞いた事のある大きなグループの子会社の事務所なんかが入っている。三階はずっとテナント募集のままだ。
こんな立地条件のいい場所でこの状況は良く考えれば少しおかしい。しかし人間というのは往々にして、たとえ道端に落ちている石ころが未知の鉱物でできた隕石の欠片だったとしても、それに気づけないものなのだった。この雑居ビルも、行き交う人々にとっては道端に落ちている石ころかそれ以下の存在でしかない。俺にとっても少し前まではそうだったのだから、良く分かる。
その雑居ビルの地下一階。下へ向かう階段の入り口にはA型の置き看板が置かれ、こう書かれている。

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