独男のグルメ 番外編

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一人暮らしをまた始めて第一に思ったのは、食事は楽しいということだ。
別に実家の料理が不味いわけではないし、しつけが厳しかったということもでもない。
しかし一人暮らしと実家、親が作る料理は一つ決定的な違いがある。

メニューの自由度だ。



今日のメニューはこの写真の通りのものだが、自分でもよく分からない。
偶然寄ったスーパーで半額だった「醤油だれのおつまみチキン」と「ツナコーンサラダ」、ともに半額で150円だったものを購入して合体させたものだ。

思うに、値引きシールが貼られた惣菜コーナーは奇書怪書が揃った本屋と同じくらい魅力的だ。唐揚げが、刺身が、寿司が、あり得ない値段で「こっちだよ」と囁いてくる。その囁きを耳にいれながら、自分のお腹と相談するあの時間が、自分にとっては何より楽しい時間である。



そうして出来上がった今日の「おつまみチキンのサラダ丼」であるが、正直言ってあまり美味しくなかった。チキンの味がパッとしないし、サラダのコーンの甘みが邪魔だった。しかしこういう失敗も面白い。「あー失敗だったな」と独り部屋で笑いながら食べるのが、なんだかこの上ない贅沢をしてるような気になった。

「食」というのは生活に欠かせないものだが、それとともに快楽であり、哲学であり、宇宙である。
君、漫然と食すなかれ。

(書いた人: )

2 Comments

  1. 毛糸 |

    見た目は凄く美味そうなのに
    一人暮らしの飯は楽しみにも苦行にもなるという人生の楽しみ方がハッキリ出る部分だと思うのです
    この詩的なパターンもいいですね!
    でも個人的には独男さんのセリフが一つだけでも欲しかったw

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  2. アロルノ |

    写真すごく綺麗に撮れてますね!すごく美味しそうです!
    でも美味くなかったんですねw これはこれで面白いんじゃないかとwww
    ちなみにコーンの甘みは厄介ですが、たぶんその状態で上から
    ぽん酢かけたら美味しくなる気がします。よくそうやって食べてるのでw

    前回までのタイトル写真は載せないんですか?あれすごく好きですよ!

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