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――夏休み中・登校日
那子「あっつー…」
澄「あっつぅ…」
小波「……」
那子「どうして学校にはエアコンないんだー」
澄「まぁある学校のほうが珍しいですけど……でもせめて扇風機くらいは……ねぇ?」
那子「そうだなー扇風機なぁー。……さっきまであったんだけどなぁー」
小波「……」
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茜色の空が広がり、日中の肌を刺すような暑さはいくらか弱まって、商店街の建物の間には僅かに風も吹き抜けている。
いつもより少し早めに仕事を切り上げて、鑑と紗季は二人で探偵事務所の入っている雑居ビルの裏路地を歩いて行く。
「うーん……実に疲れる人だった! 仕事が増えるのは有り難いが、今後もあんな依頼ばっかりだと参ってしまうなぁ」
「確かに、探偵さんが好まなそうな地味な依頼ですけど、そういうことの積み重ねが大事だと思いますよ?」
「分かってはいるつもりなんだが、何というか、こう、やはり僕のイメージと合わないというか……」
「ふふふ……探偵さんの理想のイメージばっかりの依頼だったら、きっと大変な事になってますよ?」
今日受けた依頼のことを話しながら、建物の間を右へ左へ進んで行く。
少し開けた通りに出た二人は、赤いレンガ造りの二階建ての建物のところで歩みを止め、二人並んでその建物を見上げる。
一階と二階に数カ所ある窓には小さなベランダがついていて、プランターに植えられた様々な草花が顔を覗かせている。
余計な枝葉が無く、枯れているものも無い事から、世話が良く行き届いてるのが分かる。
入口の脇には建物の雰囲気に合わせるように、木製のベンチやゆりかごブランコが置いてある。
屋根のてっぺんでは風見鶏が夕暮れの風を受けて、のんびりした速さでくるくる回っていた。
「いつ見てもお洒落なお店ですよね。ここの商店街ってウチの事務所があるビルみたいな建物が多いから、
こういう雰囲気のお店ってかなり貴重だと思いませんか?」
「うん。僕的にはちょっとミステリアスな雰囲気がするのが何ともたまらんね」
二人の目の前にあるこの建物は、彼らの探偵事務所から5分ほどのところにあるアンティーク雑貨を扱うお店、『光風堂』だ。
去年の秋、商店街でハロウィン・パーティーのイベントが催された時に鑑達は臨時スタッフとしてこのお店の手伝いをした。その時の作業やイベント当日のあれこれを通してお店の人達とも親しくなり、今日のようにたまに二人で尋ねることも増えた。
二人が少しの間、お店の建物をぼーっと見上げていると、入口の木目調の扉がゆっくりと開き、中から荷物を抱えた女性が現れた。
「いらっしゃいませー……あらあら、可愛い常連さんのご来店ね~」
「あっ、佳織さん、こんばんはー」
「こんばんは、ご無沙汰してます」
二人一緒にぺこりと一礼、挨拶をする。この女性は『光風堂』の店主、仲村隆一の妻の佳織だ。
仲村夫妻とは去年の秋のイベントだけでなく、冬に鑑達がある依頼者からのお礼で招待された別荘や、春のお花見の場面でも一緒になっていて、すっかり顔なじみになっている。
「佳織さん、この前来た時にわたしが気になってたチョーカー、まだ残ってます?」
「大丈夫よ~。アレとセットのデザインになったリボンもあるんだけど、ちょっと見てみる?
紗季ちゃんなら綺麗なロングヘアだからきっと似合うんじゃないかと思って」
「ホントですか! スゴく見たいです! 是非っ!」
「僕はその間に事務所のインテリアに良さそうな物を探してみようかな。オシャレな雰囲気は探偵のステータスにも関わるしね」
「それじゃあ二人とも中へどうぞ。主人も鑑さんと久しぶりにお話したがっていましたし、良ければ買い物の後にお茶でも召し上がっていって下さいな」
佳織が二人を店内に招き入れる。
「それでは、お言葉に甘えて――」
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付き合ってもう30年になるだろうか、そんな友人と飲んでいた時のことである。
「俺さ、ずっと隠してたことがあるんだ」
「なにを?」
「いやさ、じいさんとかオヤジからは絶対見せるな、って言われてるんだけどお前にならいいかなぁって」
「え、なになに?」
しきりにニヤニヤしていた友人はよしっ、と声を出して呼吸を整えると真剣な顔で手を合わせこすり始めた。一体これから何が起こるのだろうか。ワクワクしながら見守っていると、偉い人が拍手をする時のような、合掌の形から手を横に組み直して俺を見た。
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初めましての方は初めまして!
お久しぶりの方はお久しぶりです!
流天和佳(るてんわか)と申します!
以後お見知りおきを!
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グッスマから去年の雪ミクさんこと「ねんどろいど 雪ミク いちご白無垢Ver.」が届いた、というかようやく受け取ることが出来たので久々に写真を撮りました。305開発部写真部長として小道具なんかも使って撮っちゃいましたよ!
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