青春の原風景

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「お前って好きな景色とかある?」

「んーそうだな、見渡す限り田んぼで、山に囲まれてて、空は青くてっていういかにも夏!って感じのとか好きだな。ああいう写真見るとこう、ワクワクするっていうか忘れかけてた何かが戻ってくるっていうか、あーでも同時に切なくなる感じもする。で? それが何かあんの?」

「いやふとさ、こっからの景色を見てて思ったんだよ。みんなそれぞれ見ると胸を掴まれるような、どうしても忘れられない風景ってあるのかなーと」



「なるほど確かに、それちょっと興味深いな。あれだろ、あくまで絶景とか万人が評価する風景じゃなくてあくまで個人的な観点でそういう……ノスタルジーでもないしなんていうのかな、あの感じ」

「心象風景とか原風景、かな。心に刻み込まれてる感覚っていうか」

「そういうのか。でも言葉があるってことはみんな心に持ってるのかな」

「どうなんだろうな。ちなみに俺は夕暮れの駅のホームがそれ」

「なんかマニアックだなぁおい」

「単純に駅のホームと夕日が好きなだけかもしれないんだけどさ、ふとした拍子に頭にそういう風景が浮かぶんだよ」

「俺はそこまで意識したことはないなぁ……でもあれだろ、固有結界展開したら背景それになる感じってことだろ?」

「その人の根源ってことだからそうなるのかな」

「夕暮れの駅のホームがねぇ……さしずめ寂しさとかそんな感じか。なぁ、ちなみに原風景ってのは最初からセットされてるもんなの?」

「いや、一応幼少期の経験とかそういうのもあるそうだからそこまでプリミティブなもんでもないんじゃないか」

「ふーん。じゃあさ、こうやって俺とお前、毎日通ってるここから見る風景もいつか原風景になるのかな」

「……なる、かもな。青春の原風景だ」




※※※※※※※※※
実際みなさんそういう風景をお持ちなんでしょうか?
よろしかったら教えて下さい

(書いた人: )

2 Comments

  1. 毛糸 |

    自分の原風景か・・・難しいですね
    自分だけがっていうものはあまり無い気がします
    単純に好きな風景で言えば、広い空の夕日とか田舎の星空とかかなぁ
    人工物はあまり好きじゃないかも知れません。でも本来人が居るべき場所に誰も居ない風景は好きですね。特に道とか
    こういうの面白いですね。自分がよく分からなくなるような底が知れるような不思議な気分になりました

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  2. KOH |

    個人的には原風景って好きな風景とはやっぱりどこか違って、ふとした拍子に心に浮かんだりなんかそこにたどり着かないとならない感じがするのよねぇ

    文中の夕暮れと駅のホームはまさに俺の原風景なんだけど
    この思い描く風景にリアルで出会ったらいったいどうなるんだろうって思うね。

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